Powerpointのリボンカスタマイズ
ここ数年でデザインツールとしてAdobe XDやSketch、Figma等が躍進し、昔ながらのPowerpointでデザイン資料を作成する機会は減りつつあります。
しかし、これらのデザインツールは受け取った側にも同じ環境を求められるケースがあり、誰でもフルアクセスが可能なデザイン資料ということであれば、Powerpointもまだまだ現役と言えます。
Powerpointは長い歴史の中で幾度もアップデートが行われ、かなり多機能に膨れ上がりました。デザイナーとしては頻繁に使用する機能は限られているのに、それがあちこちに散らばっていて呼び出すのが面倒…という状態によく陥ります。
そこで、「リボンのユーザー設定」と「クイックアクセスツール」を活用して、作業環境の効率化を行ってみましょう。
リボンのユーザー設定
タブの削除
「リボン」は所謂「タブ」です。
Powerpoint 2019の場合、初期状態ではファイル / ホーム / 挿入 / 描画 / デザイン / 画面切り替え / アニメーション / スライド ショー / 記録 / 校閲 / 表示 / ヘルプ / Acrobatが登録されています。
汎用的に使えるものがセレクトされているのだと思いますが、自分の場合、描画・デザイン・画面切り替え・アニメーション・スライド ショー・記録・校閲・ヘルプはほとんど使用する機会が無いので、リボンに置いておく必要はありません。まずはこれらの不要な項目を削除してみます。
「リボンのユーザー設定」には、以下の2通りの方法でアクセスすることが出来ます。
- リボン左端の「ファイル」 → 下端の「オプション」 → ダイアログのメニューで「リボンのユーザー設定」を選択
- リボンを右クリックし → コンテキストメニューから「リボンのユーザー設定」を選択
「リボンのユーザー設定」だけ行いたいのであれば、後者の方がスムーズです。
「リボンのユーザー設定」は少し難解なUIですが、基本的に左側が「選択可能な全項目」、右側が「ユーザー設定した結果」です。
右側でここでチェックマークが付いている項目がリボンに表示されるようになっているので、不要な項目のチェックを外して右下の「OK」を押します。
これでリボンに表示されているタブが一気にシェイプアップ出来ました。
タブの追加
これだけでもかなり使い易くなったと思いますが、削除したタブの中にも「これだけは使いたい」という機能が含まれていることがあるかもしれません。また、よく使う機能だけまとめたタブが欲しくなってくる場合もあるでしょう。
そういう場合は、「リボンのユーザー設定」でオリジナルのタブを作成することが出来ます。
再度「リボンのユーザー設定」を開き、「新しいタブ」ボタンを選択します。
右側のリストに「新しいタブ」が追加され、その中に「新しいグループ」が自動的に追加されます。自分が使い易い名前に変更しておきましょう。
グループを選択した状態で、左のリストから追加したい項目を選択し、中央の「追加>>」ボタンを押すと、選択中のグループ内に選択した項目が追加されます。
このまま追加していくとすべて同じグループに登録されてしまうので、グループを分けたい場合には別途「新しいグループ」ボタンでグループを追加しましょう。
これで自分の思い通りのタブをセットすることが出来ます。
クイックアクセスツール
「リボンのユーザー設定」だけでも使い勝手はかなり向上しますが、リボンはオブジェクトの選択状態によって自動で切り替わってしまうことが頻繁にあり、どんな状況でも切り替え無しでアクセスしたい機能がある場合、これでもまだ煩わしく感じる場面があります。
そんな時は「クイックアクセスツール」を活用しましょう。
タイトルバー左端にアイコンが並んでいるのがクイックアクセスツールです。
「リボンのユーザー設定」と同様、オプションまたはクイックアクセスツール自体を右クリックすることで編集することが出来ます。
設定方法も「リボンのユーザー設定」と同じですが、こちらはタブやグループの概念が無いのでシンプルです。(グループの代わりに<区切り>を追加してグルーピングすることは出来ます)
これでどんな時でも使いたい機能が隠れずに済むようになりました。
非常に地味で、案外時間が掛かる設定作業ですが、カスタマイズしておくことで資料作成の大幅な時間短縮を見込めます。
デザイナーにおけるPowerpointの重要性は徐々に下がりつつありますが、まだまだ使用する機会は多いと思いますので、早めに整えてしまうことをオススメします。